【イタリア・セリエA】3種類の選手区分・助っ人外国人の制限

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今回イタリア・セリエAの選手区分助っ人外国人の制限について詳しく説明したいと思います。

※1つ注意点
このルールは2022年版であるので、今後変更する可能性があります

3つの選手区分

イタリアには3つの選手の区分があります。

ざっくり説明するとこんな感じになります。

①イタリア人選手

②EU圏内の外国人選手

③EU圏外の外国人選手←日本人選手はこちら

しかし、正確に説明するとこの説明は間違いです。

詳しく説明するともっと複雑

この制度は少しややこしいです。

なぜなら、イタリア国籍をもっていても「⓶EU圏内の外国人選手」扱いにされたり、イタリア国籍を持っていない選手でも「①イタリア人選手」とみなされる場合があります。

「いったいどういう事なの?」と疑問に思う人が多いことでしょう

それはAFIという制度が関係しています。

イタリア語で見ると次のような分類になります。

AFI

Non AFI Comunitario

NON AFI Extra Comunitario

AFIってなに?

AFIとはAtleti di Formazione Italianaの頭文字を取ったもので、「イタリア養成選手」という意味になります。

日本語へ直訳するとぎこちないですね。

では「イタリア育成選手」がどのように定義されるか見てみましょう。

AFIについての制度については以下のようななっています。
引用:2022年競技規定(イタリア野球ソフトボール連盟)

・国籍関係なく23歳になる前に、イタリアで3年間で選手登録されること。2022年以降初めて選手登録される選手は21歳になる前に4年間

・38歳までは、4年に1回選手登録されない場合はAFI登録がはく奪される。

18歳に満たない選手はNon AFIでもAFI登録として認められる。しかし、イタリアに滞在する為にビザが必要でない選手のみに適用される。

分かりやすく「イタリアのリーグでプレーして育った選手」という事になります。

Comunitarioは「共同体の、地域社会の」という訳ですがここでは「EU圏内」という意味で、Extra Comunitarioは「EU圏外」という意味になります。

この説明を考慮して3つの分類を見ると次のようになります。

①AFI イタリアで育った選手

②Non AFI Comunitario EU圏内国籍でイタリア以外で育った選手

③NON AFI Extra Comunitario EU圏外の国籍でイタリア以外で育った選手

プロアマがすべて同じ連盟に加入

イタリアではほとんどのスポーツに関してアマチュアからプロまで同じ連盟に加入します。

日本では、高校生は「日本高野連」大学生は「六大学野球連盟」や「東都野球連盟」など、独立リーグは「日本独立リーグ野球機構」、プロ野球は「日本野球機構」と別れています。

そして各連盟に登録して公式戦などプレーします。

しかし、イタリアでは小学生からプロまですべてのプレーヤーがFIBS(Federazione Italiana Baseball Softball)というイタリア野球ソフトボール連盟に登録します。

また、大人のアマチュアもFIBSに登録します。

つまり少年野球の子供たちも高校球児も草野球のおじさんもプロ野球選手と同じ連盟に登録するという事です。

日本とは全然違いますね

こういった構造の為「23歳までに3年以上の登録が条件」といった制度が可能なわけです。

外国人登録の規制

ビザ

ヨーロッパ国籍を持っていればEU圏内は自由に動けるのでビザが必要なのは「③NON AFI Extra Comunitario EU圏外の国籍でイタリア以外で育った選手」になります。

日本人はEU圏内にビザなしで入ることができますが、最長滞在期間が90日間なのでビザが必要です。

1チームで出せるビザの数が連盟から決められています。

第1ラウンド1選手にスポーツ選手ビザを出すことが可能

第2ラウンドに関してはセリエA1の8チームのみさらに2選手へスポーツ選手ビザを出すことが可能

第1ラウンド・第2ラウンド、セリエA1・セリエA2に関してはこちらの記事に詳しく書いてあります。

※イタリアの球団と契約する上での注意点

イタリアの球団とやり取りする際は第1ラウンドからなのか第2ラウンドからなのか確認しましょう。

第2ラウンドからの契約で、チームが第1ラウンドの結果でセリエA1へ進出できなかった場合イタリアへ行くことができません。

また、契約期間もおよそ1ヵ月半短くなるので注意しましょう。

選手登録(ロースター)

1チーム選手登録の上限は26人

その50%以上がAFI(イタリア養成選手)である必要があります。

ラインアップ

試合全体の中で常にオーダーに最低4人AFI(イタリア養成選手)がいる必要があります。

また、Non AFI Extra Comunitari(EU圏外国籍の助っ人選手)は2選手のみ同時にプレーが可能
日本人も基本的ここに含まれます。

つまり、3選手EU圏外の助っ人選手がいても同時に3人プレーすることができません

投手制限

選手の分類によって登板できる試合が限られています。

野手に関してはラインアップの規制のみです。

第1ラウンド、第2ラウンドセリエA2

1カード2試合の投手制限はこちらになります

第1戦:AFIのみ登板可能
第2戦:フリー

日本人投手(EU圏外の助っ人外国人)が投げられるのは2戦のみ

第2ラウンド・セリエA1

セリエA1の場合は1カード3試合となるので少し異なります。

また7イニング制となっています。

第1戦:フリー
第2戦:AFIのみ登板可能
第3戦:AFIとNON AFI Comunitario

日本人投手(EU圏外の助っ人外国人)が投げられるのは第1戦のみ

EU圏内の助っ人外国人が第1試合と第3試合で登板可能

イタリアンシリーズ

第2ラウンド・セリエA1の各グループ上位2チーム、合計4チームでイタリア優勝をかけた準決勝・決勝が行われるイタリアンシリーズ。

4戦先勝(最大7戦)となります。

こちらもセリエA1と同様で7イニング制です。

第1戦:フリー
第2戦:AFI
第3戦:AFIとNON AFI Comunitario
第4戦:フリー
第5戦:AFI
第6戦:AFIとNON AFI Comunitario
第7戦:フリー

日本人投手(EU圏外の助っ人外国人)が投げられるのは3試合

コッパイタリア

レギュラーシーズンが終了したチームが参戦するコッパイタリア。

今後、詳しく解説した記事を書きたいと思います。

こちらにも外国人の制限があります。

セリエA1へ進出した8チームは第2ラウンドからもう2人EU圏外の助っ人選手にビザを発行することができます。

その為チームには合計3人のEU圏外の助っ人選手がいます。

コッパイタリアは第1ラウンドから第5ラウンド、そして決勝ラウンドとなりますが、第2ラウンドからEU圏外の助っ人選手は1人のみ選手登録が可能で、残りの2人は出場できません

また、その1人のEU圏外の助っ人外国人は登録の入れ替えが不可能になります。

ラテンアメリカの選手との外国人枠の争い

イタリア野球ではEU圏外の助っ人選手となると、ベネズエラ、コロンビア、ドミニカ共和国といったラテンアメリカの選手が多くなります。

また、イタリアを始めスペインやポルトガルといったEU圏の2重国籍を持つラテン系の選手もいます。

セリエA1のトップチームでは、一般的にEU圏外の助っ人外国人はEU圏の国籍を持つ選手よりもいい選手を求めるのでとても高い能力が求められます。

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